
O君
12年程前に語学留学先で知り合ったO君。非常に優秀な彼は当時東工大の大学院生。将来国連への就職を目指す為の英語のブラッシュアップで留学しており、3ヶ月程寝食を共にしました。彼は5つ以上も年下でしたが、歳の差を感じる事無くなんでも話す事が出来、私は社会人生活の時の失敗や経験談、不動産に関することを話し、彼には英語の勉強方法や全く知らない分野を教えてもらう関係でした。
そんな彼にも、一つだけ乗り越える事が非常に困難な壁がありました。それは当時長年付き合って居た彼女さんとの結婚。宗教上の理由で彼女さんのご両親が猛反対。全く話に応じて貰えなかったそうです。彼が多くの事を学ぶ姿勢は、彼女のご両親に認めて貰う過酷な道を歩く決意が原動力だったと知りました。そして時は経ち、お互い帰国していたタイミングで再開。金融業界に就職した彼と思い出話に花を咲かせる中で、彼女のご両親にようやく認めて貰えた事を知りました。
人それぞれの役割
結婚を認めて貰う条件は、彼女を幸せにする事。この話を聞いて、私の涙腺が緩んでいた事を覚えています。そして、また時は流れ、私も子育てと仕事で忙殺されており疎遠となっていたO君からの連絡が来たのが今日でした。彼はその後、約束を守る為、弛まぬ努力を続け、イギリス大学院でMBAを取得。今は宇宙インフラ事業に携わっており、関わっていた宇宙船が明日にも民間では日本初の月面着陸をするそうです。
連絡が来たのは自宅購入についての質問でした。宇宙工学に疎い私は、どれほどの偉業かは分かりませんが、知らない事は彼から学び、不動産については私が教える。昔と変わらない関係に懐かしくも、嬉しさが溢れ出ました。彼のように全人類に貢献出来る知識も無く、私が出来る事は少ないですが、私が出来る精一杯の業務と不動産を通じ、私なりに誰かの役に立つ為、明日も自分のフィールドで戦って参ります!ただ、ちょっとだけよそ見しての明日の月面着陸楽しみです!